こどもの病気Q&A
解熱剤は使ったほうがいいの?
マスコミで解熱剤のことが話題になりますが
最近では、2000年の調査でインフルエンザ脳炎、脳症とボルタレン・ポンタールなどの解熱剤との関連が指摘されて話題になりました。以前にもアスピリン(医師が処方したバファリン、注:市販のバファリンとは別です)とライ症候群という脳症との関係が言われていました。解熱剤は副作用もありますので使う場合は指示を守り、慎重に使用しましょう。
高い熱がでると心配になるのですが
41℃以下の熱そのもので、脳に障害をおこすことは、まずありません。水分が良く摂れていて元気がまあまあなら、熱が高くても解熱剤を使用しなくても良いと思います。大多数の発熱は、ウィルスによるいわゆる“風邪症候群”です。通常5日間以内に下熱するのがほとんどです。解熱剤を使用したからといって病気の回復には、ほとんど関係はありません。いずれにしても水分摂取が出来ないなどの時は、医師の診察を受けるようにして下さい。
熱がでると、けいれんをおこし易い子どもなのですが
解熱剤を使っても使わなくてもけいれんの起きる割合は変わりません。けいれんのおき易いお子さんもそうでないお子さんも、同じように解熱剤の使い方を考えていいです。
なぜ小児に解熱剤を使うのですか?
熱が出ると、エネルギーを消耗します。
熱のために体力や食欲が低下すると回復力にも影響し、他の感染症の合併もしやすくなるかもしれません。解熱剤は病気そのものを治療するのではなく、あくまでも熱を一時的に下げるための対症療法です。
一時的に下がったときに水分や食事を摂るようにして、体力を維持するようにしましょう。
一方で解熱剤は『小児には必要ない』という意見もあります。それも一つの考え方だと思います。
小児に使われている解熱剤は?
小児に比較的安全に使える解熱剤といえるものは、イブプロフェン(商品名:ブルフェンなど)とアセトアミノフェン(商品名:アルピニー坐薬、アンヒバ坐薬、カロナールなど)の2つです。中でもアセトアミノフェンがいちばん使いやすいでしょう。しかし量が多くなると肝障害を起こすことがあるので、医師からの投与量を確認しておくことが大事です。
解熱剤使用の原則は?
- 熱が38.5℃以上で苦しそうな時
- 成分がアセトアミノフェンかイブプロフェンであれば使用可
- 1日2回まで、6時間以上あけて使用
- 6カ月以下の乳児は、体温調節の働きが未熟なので使わないほうが無難