こどもの病気Q&A
子どもとテレビ
テレビやビデオ、コンピュータゲームなどが普及し、子どもたちも早くからこれらの機器と接触する機会が増えました。国際調査によると、日本の子どもは調査参加国の中で世界一テレビやビデオを見ている時間が長いという結果が出ました。映像は魅力的で私たちの生活に大きな変化をもたらしますが、一方でマイナスの影響も出て問題となっています。
Q. 映像は具体的にどんな問題がありますか?
A.乳幼児と両親が互いに見つめ合い、共感し合うことは安心の始まりです。しかし、2歳前にTVやビデオを見せてしまうと親子で接触する時間が少なくなり、言葉の発達や友達と交流するチカラが育たなくなります。さらに体を動かす時間を奪うことになり、画像の影響で視力も落ちてしまいます。怖いのは脳の一部分が働かなくなり、キレやすい、疲れやすい、先を考えない子になりやすい…などが指摘されていることです。これらのことから10歳前の子どもには長時間の映像を見ることはできるだけ避けたいものです。
Q. 良質な番組は見させてあげたいのですが…
A.確かに役立つ番組も多くあります。暴力番組などを見せずに、英語や物語、教育教材のビデオなど、良質の番組を選べば良いと思いがちです。しかし、先に述べたようにマイナスの影響も多くあります。特に乳幼児期には心身への影響が大きいため、せめて2歳までは控えたほうがいいと思います。先進国では、メディアに振り回されないチカラを養う授業が小学生から取り入れられています。
Q. ではTVと上手に付き合う方法はありますか?
A.日本小児科医会が5つの提言を行っています。
- 授乳中や食事中のTV、ビデオ視聴は控えましょう
- 2歳までのTV、ビデオ視聴は控えましょう
- すべての電子映像機器(テレビ・ゲームなど)と接触する時間を制限しましょう
(1日2時間以内、TVゲームは30分以内が目安) - 子ども部屋にはTV・ビデオ・コンピューターなどを置かないようにしましょう
- 家族のルールを作りましょう
Q. 提言を守るための具体的な工夫はありますか?
A.屋内よりもできるだけ戸外で遊ばせましょう。ただし熱中症対策は忘れずに。家の手伝いは積極的に依頼しよう。すごろく、カルタ、トランプ、五目並べ、など家族を巻き込んで遊べるゲームを考えてみることも大事です。幼いときに家族と共に遊んだゲームやアウトドアは、子どもにとっても一生の財産となります。保護者の方々もこの機会にTVの電源をしばらく切ってみるのはいかがですか。